水面からみた、
ヨコハマ駅ニシグチ。

(この記事は、2012年に行われたエキサイト22の桟橋利用の社会実験の模様を再構成したものです)
この日はあいにく雨あがりのコンディション。川はまるでガンジス川のように濁っている。
この日のクルーズはまず日産本社前の桟橋を出発し、上流に向かうコースだ。
日産前の桟橋から出発。反対側にベイクオーターが見える。
帷子川を上っていくと、石崎川との分岐にたどり着く。今回は石崎川の方へ。
E-BOAT,SUPによる船団が進む
石崎川の方は、非常にヒューマンなスケール。両岸から桜が垂れていて、綺麗だ。それにしても川の色が残念。本来ならわりと綺麗なグリーン。
石崎川を越える京浜急行。電車が通るたびにシャッターを切りたくなる。柳が垂れている。写真に撮れなかったが、カワセミがいた。思いの外、自然が多い印象がある川だった。
東海道線の橋梁をくぐる。スケスケの構造が面白い。線路を電車が通るたびに大興奮。
帷子川本流に入ると、けっこう殺風景。両岸にカミソリ護岸が立ち並び、風景が単調になる。右側はTVKの住宅展示場があるはずなのだが。
新田間川、幸川、方面へ。こちらは、堤防が低くて街が近い印象。かつての石垣の上に、コンクリートで堤防が継ぎ足されていることがわかる。
最後の難関、ヨコハマ最低な橋、内海橋。ひどい橋、という意味ではなくて、物理的に水面からの高さが低い!この日は頭をぶつけるので屈まないと航行できなかった。
SUPのひとたちも寝転ばないといけない。なんともたのしい。
内海橋を越えると、西口の猥雑な風景が目に入ってくる。窓という窓が広告で埋め尽くされているビルというのも珍しいが、そのビルが川に向いているのに川を見る必要がないというのもなんとも悲しい。
反対側はビブレ。物珍しそうに橋から眺める人たちは、どんな風に感じているんだろうか。
目的地である、仮設の桟橋に到着。人通りが多い南幸橋から多くの視線を感じる。
ここから見る風景は、また一味違うヨコハマを感じさせてくれる。
橋の上から眺めると、鮮やかな色のSUPやE-BOATが、ふだんとは違う風景を作り出していて多くの人たちの関心を惹いている。
この日は、雨上がりだったので上流から流されてきたかわいそうな蛇ちゃんが桟橋の上で休んでいた。
上流には蛇ちゃんが生息できるような豊かな自然環境があるっていうことだ。
今度は下流側へ。電車の高架が連続していた面白い。
一緒に付き合ってくれた水辺ミュージシャンの政岡玄さん。
音楽を岸にいる人に届けようと必死。
普段見慣れたヨコハマの新たな魅力を発見した社会実験でした。きっと天候や水質なんかによってぜんぜん見え方が違うはず。
身近な川が使われずにそのままになっているなんて、もったいないと思っていましたが、それ以上に面白い体験でした!


公共空間としての水辺がよくなることで、社会がよくなると考える。建築家として建物のリノベーションを主に設計の仕事をしている傍ら、いままでさまざまな水辺のトライアンドエラーを繰り返して社会に水辺の空間のあり方とつきあい方を提案してきた。